1.3 アクチン:第二の収縮タンパク質

1.3.1 アクチンの構造と機能

アクチン(分子量:42,000 Da)は球状(G-アクチン)と繊維状(F-アクチン)の二形態をとる。

筋肉中ではF-アクチンがミオシン頭部と相互作用して筋収縮を引き起こす。このアクチン-ミオシン複合体(アクトミオシン)は、死後硬直(rigor mortis) の主要な構造的基盤となる。

1.3.2 死後硬直と熟成における役割

死後硬直の機序:

  1. と殺後、ATP供給が停止する
  2. ミオシン頭部がアクチンに強固に結合したまま(「リゴール複合体」)離れられなくなる
  3. 全身の筋肉が硬直状態となる(と殺後約2〜6時間で開始、12〜24時間で最大)

熟成(aging)による硬直の解除:

  • カルパイン(calpain)やカテプシンなどの内在性プロテアーゼが活性化
  • アクチンとミオシンの接続部(Z線)が分解される
  • 筋原線維が短い断片に切断され、肉が柔らかくなる