3.1 市場規模と経済的位置付け

3.1.1 1.5兆円産業の現在

日本の焼肉産業は2023年時点で推定約1兆5,000億円の市場規模を持つ巨大産業である。これは外食産業全体(約26兆円)の約6%を占め、ラーメン産業(約6,000億円)、すし産業(約8,000億円)を大幅に上回る。

焼肉店舗数(推定) 市場規模
1990年 約20,000店 約4,000億円
2000年 約35,000店 約8,000億円
2010年 約38,000店 約1兆円
2020年 約42,000店 約1.2兆円(COVID-19前)
2023年 約48,000店 約1.5兆円

3.1.2 牛肉消費量の変遷

日本の一人当たり牛肉消費量は1960年代から2000年代にかけて劇的に増加した。

一人当たり牛肉消費量
1960年 約1.2kg
1970年 約3.0kg
1980年 約5.5kg
1990年 約8.0kg
2000年 約9.5kg
2010年 約8.0kg(BSE問題影響後)
2020年 約9.2kg

BSE危機の影響:2001年に発生したBSE(牛海綿状脳症)問題は日本の焼肉産業に壊滅的な打撃を与えた。多数の焼肉チェーンが倒産・閉店を余儀なくされ、市場規模は一時的に20%超の縮小を記録した。この危機を契機に、食の安全管理と食材のトレーサビリティが産業全体で強化された。