1.1 肉食の起源:人類と火の邂逅
人類が肉を火で調理するようになったのは、少なくとも100万年前にさかのぼる。ハーバード大学の人類学者リチャード・ランガム(Richard Wrangham)は、著書『火の賜物』(2009年)において、火による調理が人類の脳の拡大を促した決定的な要因であると主張した。調理によって食物の消化可能エネルギーが増大し、消化管が短縮され、その分のエネルギーが脳の発達に振り向けられたというのである。
朝鮮半島における肉の炭火焼きの歴史は、高句麗時代(紀元前37年〜668年)にまでさかのぼることができる。この時代の壁画には、肉を直火で焼く人物の描写が残されており、これが文献・絵画として確認できる最古の焼肉的行為の記録とされている。