第5章:カルビ完全ガイド

5.1 上カルビの焼き方

特性: 脂豊富、肉汁多い、炎上リスク高

切り厚: 5〜8mm

最重要課題:炎上対策

カルビは脂含量が高く、炭の上に脂が大量に滴下すると炎上(フレームアップ)が発生する。炎上は:
- PAH(発がん性多環芳香族炭化水素)を急増させる
- 表面を焦がして苦みを生む
- 肉の旨味を損なう

炎上防止のための3原則

  1. 高めの網位置:炭床から12〜15cmの高い位置に置く(炎が届きにくい)
  2. 脂受け皿:炭床に金属製の脂受けを置き、滴下した脂を受ける
  3. 適時移動:脂が滴下し始めたら、箸で素早く炎のない場所に移動させる

焼き手順

Step 1: 中〜弱火帯(炭の端)に置く
Step 2: 片面2〜3分、脂が溶け出して表面に光沢が出るのを確認
Step 3: 炎上したら即座に別の場所に移す、または網を持ち上げて炎を一時的に遮断
Step 4: 返して1〜2分、脂が滴下する量が落ち着く
Step 5: 取り出し前に強火帯に短時間(10〜15秒)移して焦がし香を付ける(任意)


5.2 三角カルビの特性と焼き方

三角カルビ(Tri-Tip adjacent / Short Plate)は通常のカルビより筋肉の密度が高く、脂と赤身のバランスが優れる「焼肉の最高傑作」とも称される部位。

  • 脂と赤身の比率:約4:6〜5:5、バランスが良い
  • 切り方:繊維方向に対して30〜45°のバイアスカット
  • 焼き方:中火で丁寧に。上カルビほど脂は多くないが炎上には注意
  • 食べどき:内部が65〜70°C、赤身部分にほんのりピンクが残る状態

5.3 中落ちカルビの扱い

中落ちカルビは骨間から削ぎ取った不規則な形状の肉。形状を活かした焼き方が必要。

  • 形状が不均一なため、厚い部分と薄い部分が混在する
  • 焼き方:薄い部分を弱火帯、厚い部分を中火帯に置く(傾けた配置)
  • 取り出し:薄い部分が先に焼けるため、個別に取り出す