YU-301
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ホルモン・内臓完全ガイド
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CHAPTER 04
Chapter 2: 各部位の完全解説 {#chapter-2}
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Chapter 2: 各部位の完全解説 {#chapter-2}
2.1 消化管系ホルモン
牛の消化管は4つの胃(第1〜4胃)と腸から構成される。
テッチャン(大腸)
| 項目 |
詳細 |
| 解剖学的部位 |
大腸(結腸・直腸を含む) |
| 別名 |
しろ、マルチョウ(関東)、テッチャン(関西・標準) |
| 組織構造 |
粘膜層→粘膜下層→筋層(輪状筋+縦走筋)→漿膜の4層 |
| 脂肪付着 |
腸間膜脂肪が外側に付着。これが旨味の源 |
| 食感 |
コリコリとした外側(筋層)+トロトロの内側(粘膜・脂肪) |
| 焼き方 |
中火〜強火、内側(白い面)から焼いて脂を出す |
| 特徴的な旨味 |
アラキドン酸・コラーゲン由来のゼラチン質のコク |
シマチョウ(縞模様大腸)
| 項目 |
詳細 |
| 解剖学的部位 |
大腸の中でも横行結腸〜下行結腸部分 |
| 名前の由来 |
縦走筋帯(タエニア)が3本走り、外側に「縞模様」に見えるため |
| テッチャンとの違い |
シマチョウの方が筋層が発達しており歯ごたえが強く、脂肪量が多い |
| 食感 |
テッチャンより弾力が強く、脂肪の甘みが豊富 |
| 希少性 |
一頭から取れる量が少ない(300-500g程度) |
| 最適調理法 |
やや厚めに切り、じっくり中温で焼いて脂を十分に溶かす |
コテッチャン(小腸)
| 項目 |
詳細 |
| 解剖学的部位 |
小腸(空腸〜回腸が主) |
| 別名 |
ヒモ、サルシチョウ(細腸) |
| 組織構造 |
絨毛が発達した粘膜層が特徴(腸管表面積の拡大構造) |
| 脂肪 |
テッチャン・シマチョウより脂肪が少ない(内腸間膜脂肪の差) |
| 食感 |
やや柔らかく、コリコリ感はテッチャンより弱い |
| 独特の風味 |
消化管由来の独特の香り(下処理の質が最も反映される) |
ミノ(第1胃)
| 項目 |
詳細 |
| 解剖学的部位 |
瘤胃(ルーメン):牛の4胃の中で最大(容積100-150L) |
| 名前の由来 |
蓑(みの)に似た表面の粒状突起(乳頭)から |
| 組織構造 |
重層扁平上皮で覆われた厚い筋肉壁。乳頭(突起)が密生 |
| コラーゲン含量 |
非常に多い(筋層の結合組織が発達) |
| 食感 |
強いコリコリ感。良く噛むほど旨味が広がる |
| 部位の細分化 |
ミノサンド(2枚のミノで脂肪をはさんだ状態の部位)が高級 |
| 焼き方 |
強火で短時間。加熱しすぎるとゴムのように硬くなる |
ハチノス(第2胃)
| 項目 |
詳細 |
| 解剖学的部位 |
蜂巣胃(ハニカム胃):ルーメンの前段 |
| 名前の由来 |
内壁が蜂の巣(ハニカム)状のマス目構造をなしているため |
| 機能 |
粗飼料の再咀嚼(反芻)の入口。マグネット胃とも呼ばれる |
| 食感 |
ミノより柔らかく、蜂巣状の形状が食感の複雑さを生む |
| コラーゲン含量 |
ミノと同程度(加熱でゼラチン化) |
| 代表的料理 |
イタリア料理「トリッパ(Trippa)」の主要食材 |
| 焼き方 |
中火でじっくり。煮込みにも非常に向く |
センマイ(第3胃)
| 項目 |
詳細 |
| 解剖学的部位 |
弁胃(重弁胃):第3胃 |
| 名前の由来 |
内壁が無数の「葉状ひだ(100枚以上のひだ)」が並ぶため「千枚」 |
| 機能 |
食物の水分を吸収し、第4胃(真の胃)へ搬送 |
| 食感 |
4胃の中で最もサクサクとした独特の食感(コリコリとは異なる) |
| 希少性 |
1頭から1-2kgしか取れない |
| 下処理 |
ひだに砂・未消化物が詰まりやすいため、ブラシで丁寧に洗浄が必要 |
| 焼き方 |
薄いため高温・短時間。塩・ごま油・唐辛子ソースと合わせる |
ギアラ(第4胃)
| 項目 |
詳細 |
| 解剖学的部位 |
皺胃(すじょう):真の胃(哺乳類の本来の胃に相当) |
| 別名 |
赤センマイ(色が赤いため)、アカセン |
| 機能 |
消化液(ペプシン・塩酸)を分泌する唯一の「本物の胃」 |
| 粘膜 |
胃液分泌腺(主細胞・壁細胞)が発達した腺上皮 |
| 食感 |
センマイよりも柔らかく、独特の粘り気と脂肪の甘み |
| 脂肪 |
粘膜下に脂肪が多い。加熱時に脂が滴る |
| 焼き方 |
中火、やや内側(粘膜側)から焼き始め、こんがり焼く |
2.2 主要臓器系ホルモン
ハツ(心臓)
| 項目 |
詳細 |
| 解剖学的部位 |
心臓(心筋・心外膜含む) |
| 組織 |
横紋筋だが収縮速度が骨格筋と異なる心筋(自律性収縮) |
| 特徴 |
骨格筋と同様の横紋構造を持つが、ミトコンドリアが極めて豊富 |
| 食感 |
柔らかすぎず硬すぎない、引き締まったコリコリ感 |
| 風味 |
赤身肉に近い旨味。鉄分が豊富で独特の金属様の香り |
| ハツモト |
ハツに繋がる大動脈・大静脈の付け根。コリコリ食感の希少部位 |
| 焼き方 |
薄切りにして強火で短時間。または厚切りでミディアムレア |
| 注意 |
心臓には大血管が付着しているため、血液を完全に除去する |
レバー(肝臓)
| 項目 |
詳細 |
| 解剖学的部位 |
肝臓(右葉・左葉・尾状葉の複合臓器) |
| 重量 |
牛1頭から約5-7kg取れる |
| 組織構造 |
肝細胞(ヘパトサイト)が肝小葉を形成。類洞を介して血液と直接接触 |
| 栄養素 |
ビタミンA(3,000μgRE/100g)・B12・鉄分が突出して高い |
| 風味 |
特有の「レバー臭」=血液(ヘム鉄)・鉄分・脂溶性臭気物質由来 |
| 部位細分類 |
レバー白(脂肪交雑部)、レバー赤(通常部)、胆管近辺は苦み |
| 焼き方 |
必ず中心部まで十分加熱(食品安全上絶対の原則) |
| 食品安全 |
生食は2012年以降、牛レバーの生食提供は法律で禁止 |
タン(舌)
| 項目 |
詳細 |
| 解剖学的部位 |
舌(骨格筋の一種。外舌筋+内舌筋) |
| 厳密な分類 |
内臓ではなく骨格筋だが、流通・飲食業界ではホルモンの一種として扱われる |
| 部位の細分 |
タン先(先端、最も薄く柔らかい)/ タン中(中央部、最高部位)/ タン根(付け根、コリコリ感強い)/ タン下(舌下腺含む部分) |
| 食感 |
部位によって大きく異なる。タン中は引き締まった弾力と豊かな旨味 |
| 脂肪 |
特にタン中〜タン根にかけて霜降り状の脂肪交雑がある上質品も |
| 焼き方 |
薄切り(2-3mm)で強火・短時間が基本。塩・レモンが定番 |
コブクロ(子宮)
| 項目 |
詳細 |
| 解剖学的部位 |
雌牛の子宮 |
| 別名 |
子袋(こぶくろ)、コプリ(地域によって異なる) |
| 組織構造 |
子宮筋層(平滑筋の厚い壁)+子宮内膜 |
| 食感 |
非常に強いコリコリ感。4胃のミノに近い弾力 |
| 希少性 |
経産牛(出産経験あり)のみから取れる(肥育牛からは取れない) |
| 風味 |
淡白でクセが少ない。牛ホルモン中では最もクセがない部位の一つ |
| 流通 |
一頭から少量しか取れないため、希少かつ比較的高価 |
| 焼き方 |
中火〜強火で、コリコリ感が引き立つように焼く |